消火器の使い方
消火器を正しく使うために――心がまえと準備
これまで消火器を使った経験がない方が、「消火器を使えるだろうか」と不安を感じるのは当然です。
消火器は「重たくて、使い方がむずかしい」と思われがちですが、じつは簡単にあつかえるように設計されています。
なにより肝心なのは、落ち着いて使用すること。ラベルに記載された手順を見てイメージしておけば、いざというときスムーズに消火できます。また、地域の防災訓練などに参加しておくと、より迅速に落ち着いて対応できるようになるでしょう。
最近の消防機関のデータでは、消火器の成功率は75.7%※1。多くの方が正しく使われています。
ただし、使用率は18.9%※2と低く、必要なときに十分活用しきれていないのも現状です。消火器の備えしだいで、初期消火の明暗は分かれます。住宅での火災発生時で使用される消火器は【平均2.5本】。たとえば、玄関に1本、台所に1本、2階に1本、などと消火器を分散常備しておくことをおすすめします。「消火器がある」という安心感は、火災発生時に冷静さを取り戻す役割も果たしてくれます。
※1 東京消防庁管内のデータ(2019年中)より
※2 令和3年版消防白書より
定期的に消火器をチェックしましょう
すべての消火器は、ラベルにわかりやすいイラストで使い方が説明されています。また、傷やへこみがないかも確認しておきましょう。
消火器の使い方を予習しておきましょう
一家にいくつかあると安心な消火器。使い方を予習しておけば、いざというときも安心です。【消火器の使い方】をわかりやすくご紹介します。
-
レバーを固定しているピンに指をかけます。(このとき、消火器を地面に置くと安定します)
-
ピンを垂直方向にスパッと抜き取ります。(ピンを抜いただけでは、 消火薬剤は出ないのでご安心ください)
-
ノズルを火元に向け、レバーを握ると消火薬剤が噴出します。(火は手前から掃くように消していくのがコツです)
【実験】消火器で10mの火柱にいどむ!
当社の上野工場・消火実験棟にて、炎上する木材を消火する実験をしました。点火してから、3分後に消火器で消火活動をスタート。
点火直後、木材は一瞬にして火で包まれ、火柱の高さは約10mと建物の天井に達する勢い。
熱が周囲まで伝わってきます。
3分後、消火活動を開始。
木材を中心に円を描くように消火剤を吹き付けていくと、半周ほどで消火完了。